東京国立博物館(2020.1)前編
東京国立博物館です。
東京都の指定文化財保有数を爆上げしていることでも有名なトーハク。
私は毎年最低1回以上は必ず訪れています。
まあ、歴史ファンがトーハクに通うのは、女子高生がタピオカ屋に通うのと同じようなものですよね。ハハハ。(偏見すれすれ)
さて、今回はこれを観に行ってました。
というわけで、このレポを書き連ねていきます。
※当然、特別展の館内は撮影禁止ですので、文字だけのレポになります。
特別展「出雲と大和ー『日本書紀』成立1300年」
我が国最古の正史『日本書紀』が編纂されたのは養老4年(720)。今年令和2年は1300年記念となります。
この節目の年に、「神話」「神々」「祭祀」という観点から、出雲と大和を中心に古代日本の成立やその特質に迫ろうというものです。(公式チラシより)
まず最初は出雲大社の芯柱がどーんと展示されています。言うまでもないですが、驚くほど大きい。
3本の大木がひとまとめにしてあります。巨大神殿があった説が本当だとしたら、これはとんでもない大きさだったでしょうね。
出雲大社境内遺跡がら出土した装飾品や、造営のための設計図、奉納された鎧や刀などがありました。
ここからは出土品のオンパレードがしばらく続きます。
加茂岩倉遺跡の銅鐸や藤ノ木古墳の金具といった古代史界の有名アイドルはもちろん、島根県と奈良県の遺跡の名前がずらり。
そして、みんな大好き荒神谷遺跡の大量の銅剣。(みんな大好き…?)これはすごかった。展示室いっぱいに見渡す限り銅剣、剣、剣…
追い打ちをかけるようですが、荒神谷遺跡の銅剣って、同一の型を利用して制作されたかのような作風が特徴なんですよね。
だからみんな全く同じなわけです。同じ形の物(保存状態に差はあれど)が168本並んでいます。
途中から「私たちは何を見せられているんだろう…」ってチベスナ顔。最高ですね。
試されている観覧者…
あとはメスリ山古墳のあの巨大な円筒埴輪です。同じ部屋に三角縁神獣鏡33面ずらり。
第2会場は仏像が多かったです。
島根県萬福寺の四天王は凛々しいお姿。地方仏特有のクセはあまり感じられず、表情は端正で細かな造形もしっかりと表現されていました。平安時代(9世紀)のもののようなのですが、保存状態が非常に良い。
余談ですが、トーハクは基本的に360度から観られるように展示してくれていることが多いので本当にありがたいですね。
唐招提寺の四天王(うち2躰)や伎楽面もあって見ごたえがありました。
常設展
今回は常設展もかなり楽しみにして来たのです。
13室が工事中というレアな光景に鉢合わせましたが、それを抜きにしても展示の量が多い。ほんとうに量が、多い。
全部じっくり見ようと思うと最後の方で疲れ果ててしまうので、さーっと見ながら「お?」と思ったものをじっくり見ています。私は。
トーハクは常設展に限り、写真撮影がOKです(註:撮影禁止の展示品もあるので注意!キャプションに書いてあります)。
ですので、教科書・資料集常連の超有名作品まで写真OKだったりします。
今回の展示でしたら、例えばこれ。
写真撮り放題です。
では、気になったものの感想を書いていきます。
まずはこちら。竹内久一作、「執金剛神立像」です。明治26年(1893)に制作され、同年にシカゴで開催された万国博覧会に出展されたもの。
一見、凛々しい執金剛神像に見えますが、後ろを見ると…
あら。
邪鬼が引きずられています。必死な顔がかわいい。
現・近代の作品は、たまにこういうのがあるから見たくなってしまうんですよね。
お次はこれ。
初代宮川香山の「褐釉蟹貼付台付鉢」です。明治14年(1881)の第二回内国勧業博覧会に出品されました。
明治時代の超絶技巧です。
土でできてるんですよ。刺も、脚も、関節も…
この写真ではわかりづらいので、下アングルからも。
はい。二匹います。
明治の超絶技巧、恐るべし。
長くなりそうなので、ここらで後編に移ります。 後編はこちら。