旧金比羅大芝居
※この記事は、コロナ禍より前に訪れた場所について書いています。
香川県琴平町にある旧金比羅大芝居は、日本最古の芝居小屋である。
旧金比羅大芝居は天保6年(1835)に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋。
昭和45年に「旧金比羅大芝居」として国の重要文化財に指定された。(パンフレットより)
もとは現在より300mほど離れた場所にあったが、昭和47年から4年の歳月をかけて現在の場所に移築復元したとのこと。
現在でも、現役で使われている。
現代の歌舞伎の舞台よりは小ぶりである。
柾目の板が美しい。
廻り舞台や幕も背後まで見学が可能。
こちらは舞台の後ろにある控室など。
個室が3~4部屋と大部屋が1部屋。
これは控室前の廊下。
左手に見える黄色の幕は舞台の松の絵が描かれた幕。
左手に見える梁が洒落ている。
曲がった木もこんなに美しい。
さらに、舞台下手から奈落に通じる階段(すさまじく急こう配)があった。
見学可のため、行ってみる。
階段を降りるとすぐ、廻り舞台の下に出る。
舞台裏とはいえ、かなり広々としている。
構造が美しい。
舞台を回す持ち手が 光っているのは、手垢だろうか。
客席に戻る。
横の2階席。
客席の廊下に木札がかかっており、席番号が書かれている。
現在のホールや劇場の席番号はアルファベット+アラビア数字であることが多いため、やはり漢数字は落ち着く。
左手の壁の中央付近に、外に出るための梯子が見える。
天井の組み物も整然として美しい。
入り口には、
今でいうクロークの、下駄版。
カウンターのような台があり、4畳ほどの小部屋一面に吊り下げられている。
この写真からは確認できないが、入り口が大変低かった。
屈まないと入ることはできない。まるで茶室のようだ。
入り口の上部の額は、演目と役柄、役者などが書いてある(最近のものである)。
移転したとはいえ、約180年前の芝居小屋である。
非常に保存状態が良く、現役で使われ続けている文化財というのは大変興味深いものだ。
こんぴらさんの参道から10分ほど歩いた場所にある。併せて訪れてみるのもよい。